今回はマーケティングの中でもかなり特殊なケースを紹介していきます。
皆さん、炎上商法って聞いたことありますか?
炎上と聞くとかなりネガティブなイメージですが、この炎上を使って商売に結び付けている人もいるんですね。
しかし、本当に儲かるのでしょうか?
今回は炎上商法について解説してまいります!
炎上商法とは何か
SNS上で「投稿内容が炎上した」という言葉を聞くことがあります。
炎上した人が芸能人であれば、「あの人は炎上商法で仕事をもらってる」なんてことも聞きますが、炎上商法とはいわゆる過激な発言で注目を浴びる方法です。
一般的に、炎上させるためには不特定多数の人が目にする場で以下のような発言をしています。
- 差別的発言
- 特定の人を挑発したり煽ったりする
- 誹謗中傷
こうした、一般的には「ひどい」と言われるような言動をSNS上で行い、一旦多数の批判を受けた後、今度はマイナスイメージを取り払うために言葉や態度を変化させて、売り込みたいサービスや商品の弁解をするんです。
人は、最初の印象が悪いほど後から良い側面を知ると、本来の力以上にそのものを評価する傾向があります。
そんな人間心理を利用した商法です。
炎上商法に成功例はあるのか?
一度炎上してしまうと、なかなか火消しは大変だというイメージが強く、芸能人でもなければ難しいのでは と考えられています。
実際、炎上商法で実際に売上が格段にアップした、マイナスイメージをすぐに払拭させたという成功例はほんの一部です。
成功例から見る炎上商法が功を奏したポイント
記憶に新しい炎上商法の成功例は、ルーマニアのチョコレート菓子の会社です。
昔から販売されている国民的なお菓子ですが、パッケージのデザイン性があまり良くなくて人気が低迷した時に、炎上商法を活用しました。
もともと、パッケージデザインはルーマニア国境だったところをアメリカ国旗を模したものに変更したのです。
「非国民企業」と急激に批判が殺到して、国民の関心がチョコレート菓子に向きました。
翌日、パッケージデザインを戻して「ジョークでした」と発表したのち、炎上は鎮火下だけではなくて世界3大広告賞の2部門でグランプリ獲得までしています。
一般的に一度非難されると鎮火が難しいと言われている炎上が、なぜ好転したのかというと、それはスピード感だといえます。
アメリカ国旗を模したものに変更した瞬間、ルーマニア国民は見慣れたお菓子がアメリカに支配されてしまったようで悲しいとすぐに感じて、SNSなどで批判をし始めたのです。
一気に拡散されていき、近年はアメリカ製のお菓子を好んで食べていた層ですら忘れていた愛国心を思い出しました。
そんな国民の変化を察知すると瞬間的に元のパッケージに戻して、理由を説明する火消しを行ったのです。
このスピード感は国民の怒りではなく、安心感を買うことができて逆にお菓子が世界中に注目されることになりました。
炎上商法で成功例は稀
成功例があると、どうしても「炎上商法は効果があるかも?」と思うかもしれません。
ですが、基本的に炎上商法は非常にリスクを伴います。
過激な発言を繰り返したり、否定をするなどは面白いと思う思わないの差が激しくなり、今までは面白いと思っていた人でも何かのきっかけで「もう無理、嫌い」と思われることもあるんです。
成功例のように、炎上してもパッと鎮火させて、以後は良いイメージを保ったまま、ということであれば別ですが一度注目されると何度も炎上させがちだといえます。
過激発言は注目を簡単に浴びることができますし、イイネ数やリツイート数を楽に稼ぐことが可能です。
しかし、結果的に企業イメージを向上させることにつながるか、といえばなかなか難しいかもしれません。
炎上商法の成功例はあれども長期的に見たら大損
炎上商法は、一瞬にして多くの人に注目されて名前を知れ渡らせることはできます。
単純に一般の個人が行う分には、そこまで影響はないかもしれません。
影響力のある有名な人だったり、企業が炎上商法を行ったとしても、注目が集まったところで長期的な目で見れば、結果的に大損をしてしまう可能性が高いです。
炎上した事実は変わらない
炎上商法が結果的に大損する理由としては、炎上した規模が大きければ大きいほど、ついたマイナスイメージというものは払拭されにくくなります。
商法としては、一気に多くの人から注目を集めれば、何割かの人は売り込みたいサービスや商品について興味を持ってくれて購入してくれるかもしれない、という期待感で行っていることでしょう。
そういった興味本位の行動は、非常に気まぐれで継続性はありません。
だからこそ、炎上商法を使うのであればその後のフォローは丁寧で慎重な行動が必要です。
炎上自体は薄れるかもしれませんが、一度炎上したというイメージがつくだけでも「そういう会社なんだ」と思われて、好感を持ってくれなくなります。
イメージがマイナスなままだと、結果的に商品を手に取ってもらいにくくなったりで、損をする可能性がアップします。
予想していないところに飛び火する可能性
炎上商法を行うときに、最も怖いのは予想もしていないところにまで炎上が飛び火することです。
炎上を起こした人がしばらく復活できなかったり、大損をする理由としてあまりにも世間の評価が厳しいものになったときに準じて関係各所のイメージも悪くなるからだといえます。
「この企業を利用しているここは見る目のない会社」「こんなことを言う人と仲良くしている人も悪い人だ」といった、類は友を呼ぶと言わんばかりの評価に繋がり、多方面で迷惑をかけてしまうんです。
自分たち以外に迷惑をかけると、その責任を取らなくてはいけないのでかなり損をします。
飛び火、というのはあっという間にするわけではなくて、徐々に起きてくるものなので最終的な損を計算すると多額のマイナスになってしまった、というのはよくある話です。
炎上商法に成功例はあるのかについてのまとめ
結論を述べると成功例は存在しますが、数ある商法の中からわざわざ炎上商法を選ばなくてもいいのでは?というところですね。
場合によっては人を傷つけたりする可能性もありますので、目立つにしても炎上を狙わないのが無難と言えるでしょう。
長期的に見たら、地道にファンを集めた人の方が、絶対に長生きします。
一瞬で脚光を浴びるためには手段を選ばないなんてことをせず、共感を生む発信をしていった方がいいと言えそうです。