写経と一口に言っても、お経を書き写す写経はその種類によって1回あたりの時間や難しさなどがまったく違います。
写経を行うには寺などに集まり何時間もかけて行うイメージがありましたが、あなたのご自宅でも簡単に始められる方法もありました。
今回は自宅でもできる「般若心経の写経のやり方」についてご紹介します。
誰でも始められる般若心経の写経のやり方
たくさんあるお経の中でも般若心経の写経は、文字数が少なく時間も1時間程度で終わるので入門編としてはおすすめです。
誰でも始められる般若心経の写経のやり方(準備編)
まずは、写経が行えるように道具を準備する必要があります。
お寺などで集まって行う場合は、道具の貸し出しを行うこともありますが、自分のために行う写経なので、習慣化するためには自宅でできる環境を整えておくのがオススメです。
基本的な道具は、下記をご参照ください。
- 筆(できれば小筆)
- 墨(墨汁でも可)
- 硯(できれば小さめのもの)
- 写経用紙(慣れてくると半紙に書く方もいます)
- 下敷き
- 文鎮
- 見本
ほとんどが100均でも揃えられるものです。
書道セットを準備するのが難しい場合やなるべくお金をかけたくないという方は、筆ペンと本屋などで写経練習帳を購入すればすぐに始めることができます。
「道具が準備できたらすぐ写経しよう!」と思いますが、その気持ちをググっと抑えもう少し準備が必要です。
般若心経だけに限らず、写経を始める前にはかならず場所と身を清めてから行うようにしましょう。
写経は禅や瞑想などと同じく、集中して行うものです。
座禅や瞑想を汚い部屋で行っているところを見たことありますか?
物が散らかっている部屋では、気が散ってしまいます。
写経をやる前は、まず部屋の掃除をしましょう。
一部屋丸ごと掃除するのは大変ですので、最低でも写経を行う机の半径1メートル程度はキレイにしてください。
そして、身体も清めましょう。
入浴やシャワーができるのであれば、全身をいつも以上にしっかりと洗い、キレイにしてください。
お寺などの出先で行う場合にはシャワーを浴びることは難しいので、代わりに下記のことをしっかりと行いましょう。
- 手洗い・うがいをしっかり行う
感染症対策として最近は何をするにも手洗い・うがいと言われますが、写経においても身を清めるという点で、手洗い・うがいはかならずおこなってください。
- 途中でトイレに行きたくならないようトイレを済ませる
般若心経の写経に限らず、写経の途中で席を立つことはあまりよくありません。
絶対にダメではありませんが、なるべくであれば最後まで書ききらなくてはいけないので、途中でトイレに行きたくならないように事前にトイレは済ませましょう。
写経の基本姿勢は正座ですが、長時間の正座は慣れるまで難しいです。
足の悪い方や、正座に慣れるまでは正座椅子を利用するのもおすすめですよ。
姿勢が整ったら深呼吸を数回繰り返し、呼吸を整えましょう。
呼吸が整ったら両手を合わせ、一礼していざスタートです。
誰でも始められる般若心経の写経のやり方(書き方編)
初めて写経をする方や、まだ慣れていない方は、見本を写経用紙の下へ入れなぞり書きをするのがおすすめです。
写経は一行に17文字で書くのですが、初めてだとバランスが難しく、17文字が入りきらなかったり余ってしまったりという事があるので、なぞり書きであればそういったこともありません。
写経の基本構成は、下記の4構成です。
- 内題
- 本文
- 奥題
- 願文
内題はお経の題名のようなもので、文字の間隔を詰めて書きましょう。
本文は1行17文字で書き、間違えた場合はその文字が分かるようにしるしをつけ欄外に正しい文字を記載してください。
奥題は本文の終わりに「般若心経」と書きますが、奥題を書く際はこの後に願文と記入日、記名があることを考え全体のバランスをみて改行するかどうか決める方がほとんで、とくに決まりはありません。
なんのために写経を行ったかを書いたのが願文です。
写経を行う理由は人それぞれで「気持ちを落ち着かせるため」「健康になるため」などありますが、四字熟語で書くことが多くあります。
しかし四字熟語で書かなくてはいけないという決まりはないので「こうなりたいです」と口語文で書いても問題ありませんし、数の制限もありません。
願文は引き寄せの法則と同じで「○○になりたい」よりも「××な○○になりたい」のような、より具体的な願いの方が成就しやすいです。
写経のやり方がわからない!般若心経の書き方を解説まとめ
般若心経だけに限らず「写経は難しい」「忙しい人はできない」など、簡単には始められないと思っていましたが、筆の代わりに筆ペンを使ったり写経の練習本などを利用すれば自宅でもすぐに始めることができます。
写経をすることで集中力が高まったり、気持ちが落ち着いたりするので、リフレッシュするにはとてもおすすめです。
あれこれ細かい作法はめんどくさい!って思う方は、字の汚さを気にせずひたすら急いで書いてみるという方法もあります。
これは高野山で教わった方法なのですが、急いで書くと13分ほどで書き終える事ができます。
1日のうちのこの13分だけでも、何かに集中しようと意味があります。
最初はハードルが低い方が始めやすいので、ご自身にあった方法で始められてみてください。