マーケティングの現場で必ず耳にする「ペルソナ設定」という言葉。
ですが、ペルソナとは何なのか、具体的にどのように設定するのか…よく理解できていない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回はペルソナ設定の方法を具体例つきで紹介していきます。
ペルソナ設定をせずにマーケティングは始まりませんよ。
ペルソナ設定とは?
「ペルソナ」とは自社の商品やサービスを購入する架空のユーザーを意味しています。架空のユーザーのプロフィールを作成し、行動や価値観、ライフスタイルやライフスタイルまで具体的に設定してマーケティングの施策へ活用します。
同じような言葉で「ターゲット」というものがありますが、違いをご存知でしょうか?
「ペルソナ」と「ターゲット」の違いはずばり、具体性にあります。
ペルソナは、架空のユーザーですから前述した通り、プロフィールを作り込み「実在しそうな人間」にまで絞り込みます。
一方ターゲットは、製品やサービスを購入しそうなユーザーを表しており「シニアの方」や「30代の女性」というように対象の幅が広いのが特徴です。
ちなみに、マーケターの方でたまに見かける「自分がユーザーだったら~」といった主観的な感想はペルソナ設定ではないので注意しましょう。
ペルソナを設定する3つの理由
ユーザーのニーズ理解につながる
ペルソナを設定する一番の理由は「ユーザーのニーズが理解できる」ということにあります。
広告を出す時にも、ペルソナを設定していれば「どのような広告を」「いつ」「どこに」出せばユーザーに訴求できるのか戦略が立てやすくなります。
チームで共通のイメージを持てる
マーケティングの現場は1人ではなく、チームで活動していますよね。デザイナー、マーケター、営業といった職種の異なるチームメンバーが一緒に仕事をする中で、認識のずれがあるとトラブルにつながります。
ペルソナを設定すれば、チームで共有のイメージを共有できるため作業を効率的に進められるでしょう。
マーケティングプランが設定しやすくなる
ペルソナ設定は具体的なプロフィールなどを詳細に設定して、架空の一人のユーザーを作り込みます。
そのためユーザーのイメージがわきやすく、よりユーザーの目線にたったマーケティングプランを打ち出せるようになります。
ユーザーの具体的なライフスタイルやニーズを設定することで、ユーザーに刺さる商品やサービスが提供できるでしょう。
ペルソナを設定するための具体例を3ステップで解説
ステップ1・データを収集しよう
ペルソナを設定するための情報収集をしましょう。
顧客アンケートやインタビュー、購買データやターゲット層の行動データは、ペルソナを設定するのに必要不可欠です。
他にもSNSなどを利用して、ターゲット層のライフスタイルを見てみるのもいいでしょう。
調査対象は社内のメンバーでも構いません。
自社の商品やサービスと直接関係のない方にインタビューすることで、忖度のない意見が聞けるでしょう。
他にも、Googleアナリティクスなどの解析ツールを導入していれば、そこから抽出したデータを活用しましょう。
ステップ2・収集したデータや情報を整理しよう
データが集まったら、ペルソナを設定する情報を整理しましょう。
以下のような項目を参考に情報をリストアップしておくとイメージが湧きやすいですよ。
- 基本情報(性別・年齢・住所など)
- 職業や最終学歴、収入
- 人間関係(恋人、配偶者や子供の有無)
- 生活パターン
- 価値観や考え方
- 今チャレンジしたいと考えていること
- 趣味や興味の対象
- インターネットの利用頻度
- 新しい情報の入手先
- よく利用するデバイス
この時、ペルソナを設定した写真なども用意できるとよりイメージがしやすくなるのでおすすめです。
またチームの中で自由にアイデアを出し合うブレインストーミングも効果的。
データ整理に行き詰った時は、チーム内で自由に意見を出し合うことで新たな視点がうまれるものです。
ステップ3・具体的に組み立てよう
リストアップした情報をもとに、ペルソナを組み立てていきましょう。
写真や前述した項目を設定し、そのユーザーが言いそうなセリフやエピソードなどをストーリーのように文章にすると、チーム全体でイメージが持ちやすくなります。
さらに、こうしたペルソナを設定した後で、ペルソナの別側面からアプローチしてみると商品やサービスのマーケティング施策に活用できます。
例えば、1人の架空の女性をペルソナとして設定したとしましょう。
- 自分へのごほうびとして商品を購入しようとしている
- 彼女へのプレゼントとして商品を購入しようとしている
このように、別の側面からペルソナを見るとより深く訴求することが可能になるでしょう。
ペルソナ設定3つの注意点
主観や思い込みを入れないこと
ペルソナ設定に関して、最も多い間違いがこちらです!
「自分の思い込みや主観を入れない」ことを意識してください。担当者が持っているイメージや想像からペルソナを作ってしまうと、本来のユーザー像とかけ離れたものになるだけでなく、炎上したり批判されたりといったリスクにつながります。
「女性は男性にモテたいから~」などと想像だけでペルソナを設定しないようにしましょう。
信頼できるデータや組み込みサイト、SNSなどから定量の情報を収集し、そこからペルソナを導き出すことをお忘れなく。
実在するような「1人」にまで絞り込む
ペルソナを設定する時は「実在しそうな1人」にまで絞り込みましょう。
ペルソナ設定がぶれていると、商品やサービスの軸までもがぶれてしまいます。
例えば「美容化粧品を探している女性」といったペルソナで考えてみましょう。
- SNSやネットの口コミはサクラだと思っていて信じていない女性
- 流行の物が好きでSNSなどに新製品とあると試してみたくなる女性
- ネットの口コミやSNSなどは見ず実際にサンプルなどを利用して使い心地を確かめてから買う女性
と、女性の中でも色々な考え方、行動パターンがあります。
ここまで肉付けができて、はじめてペルソナ設定となるのです。
ペルソナが設定できたら、一度全体を見直してみましょう。具体性が欠けている、認識にずれがあると感じたら再度ペルソナを構築しましょう。
設定後も運用しながらペルソナを変更する
ペルソナが完成したら実際に運用していきます。設定したペルソナをもとにマーケティング施策を実行していきましょう。
とはいえ、ユーザーの動向は絶えず変化し続けます。
ペルソナを設定していても、現実と食い違いが起きることはよくあること。
ユーザーと設定する営業チームやユーザーのアンケートなどをもとに、ペルソナ設定を定期的に見直すことをお忘れなく。
ペルソナ設定でユーザーに訴求するマーケティング施策を
ペルソナ設定は短期間でできることではありません。
長い時間をかけて情報を収集し、組み立て、見直してはまた組み立てる…コストも時間も必要です。
ですがペルソナ設定はマーケティングには必要不可欠。
製品やサービスがユーザーに「これはまさに自分のためのものだ!」と思ってもらうには、ペルソナ設定が重要です。
丁寧で適切なペルソナを設定し、マーケティングに生かしましょう。