業務効率化を図るために、BPOが注目を集めています。
BPOとは何なのでしょうか?
BPOを活用することで企業にどのようなメリットがあるのでしょう?
今回の記事ではBPOとは何かをわかりやすく解説し、アウトソーシングとの違いから企業へのメリットまで解説していきます。
BPOとは?簡単に説明
BPOとは「business process outsourcing」の略であり、3つの単語の頭文字をとって「BPO」と呼ばれています。
直訳すると「業務工程外部委託」であり、その名の通りBPOとは会社の業務を外部へ委託することです。
このサービスが注目され始めた背景には「労働力の確保」と「業務の効率化」が企業にとって大きな課題となっているため。
ノンコア業務を外部へ委託すれば、社員が会社の利益を生み出すコア業務へ集中できることが大きな利点です。
BPOとアウトソーシングの違い
外部委託と聞くと「アウトソーシング」を連想される方も多いはずです。BPOとアウトソーシングの違いは何でしょうか?
その違いは「自社で行っている業務か否か」です。
アウトソーシングは「自社で行っている業務の一部を外部へ委託すること」を指すのに対し、BPOは「業務以外のプロセスごと外部へ委託すること」を指します。
イメージするならば、アウトソーシングの場合は「手伝い」を、BPOは「完全にお任せする」という具合です。
実際のビジネスの場でBPOとアウトソーシングを完璧に区別して使用するという事はあまりないかと思いますが、基礎知識として覚えておくと良いでしょう。
BPOを導入するメリット
難易度が低く定型化しているような業務を外部へ委託した場合、大きく3つのメリットがあります。
業務の効率化が図れる
現在の企業は人手不足によって人材の確保が難しくなっています。
直接利益を生まず定型化しているような業務を外部へ委託すれば、会社の利益となるコア業務へ人材や時間を集中させることが可能です。
また直接利益を生まない業務での運営業務に関するノウハウや引継ぎをする手間が省けます。
これにより時間と労力が削減され、会社の中核を担う業務を効率化させられます。
コストを削減できる
社内での業務工程が減り、設備投資や人件費のコスト削減につながります。
もちろん外部へ委託するさいには費用が発生しますが、結果的には自社で事業を運営するよりも安価になる場合が多くあります。
またBPOが活用される業務はノンコア業務が大半を占めています。
経営の視点から見ても、こうした業務へ高い設備投資を投じたり、専門的な知識の教育を行ったりすることは困難です。
専門家に業務を委託することで、コストを抑えられることは経営面で見てもメリットがあると言えます。
専門性の高いスキルを活用できる
BPOサービスを手掛ける企業にはノウハウや経験が蓄積されているものです。
委託する業務にあたっては高度なスキルや知識を持つ人材が担当するため、法改正への対応や、最新のIT技術を導入することなどにも速やかに対応することが可能です。
BPOを業務へ活用すべき4つの業務領域
メリットがあるとはいえ、具体的にどうした業種がBPOに向いているかは分からないですよね。
そのため外部へ委託すべきが判断基準となるポイントを解説します。
総務部門
どの企業にも共通して存在する業務である総務は多くの企業が導入を始めています。
また総務部門には雑多で頻度の少ない業務が多々あります。
例えば、名刺や封筒の印刷、転勤や引越しの手配から、定款の草案起草や契約書の作成などが実際にサービスとして活用されています。
人事部門
人事部門は労務管理など内部向けの業務と、採用など外部向けの業務へ分けられます。
BPOサービスは双方を対象とするものがほとんどです。
従業員の給与・賞与の計算や勤怠管理。育児休業などの社会保険業務。面接や採用の手続きから、新社員研修などの人材育成や採用活動などがサービスとして提供されています。
経理部門
経理部門を自社で賄おうとすると、業務の少ない時期にも固定された人件費を捻出する必要があります。
また経理担当者が1人で情報を抱え、会計がブラックボックス化してしまうことも。
経営部門を外部へ委託すれば、こうした問題点が解決できるのが大きなメリットと言えます。
記帳業務や給与計算、決算申告や決算書の作成など、ほぼすべての経理業務がサービスの対象です。
マーケティング部門
顧客の管理から市場調査までマーケティング部門もBPOで委託することができます。
特にウェブやSNSを通じてwebマーケティングに力を入れたいが、ノウハウや知識がないため取り組めないという企業は多いですよね。
そんな時マーケティング業務を外部へ委託することで、プロによるノウハウや専門知識に基づいた、テクニカルなマーケティングサービスが受けられます。
BPOサービスを活用するときの注意点
BPOサービスを活用するうえで、注意すべき点もあるので解説します。
それは「社内に業務に関するノウハウが蓄積されないこと」です。
ただし外部への委託を決めた対象業務は、企業にとって重要性がそれほど高くないはずです。そのためノウハウが社内に蓄積されなくとも、会社の経営からするとそこまで大きなデメリットにならないという見方もできます。
BPOサービスを活用して業務を効率化しよう
BPOとは業務の工程までを一括して外部へ委託することです。
人材不足が深刻化する昨今、このサービスを活用すればコア業務へ人材も時間も集中させることができますし、コストも削減できます。
社内にノウハウが残らないというデメリットもあるので、活用するさいは「この業務は社内にノウハウがいるかどうか」という点も検討しましょう。
総務や経理、人事といった業務の他にも、専門的な知識やテクニックを活用できるマーケティング業務も外部の専門家へ委託するのに最適な業務と言えます。
今回の記事が社内の業務を外部へ委託するための参考になれば幸いです。