近年SDGsを企業のブランディング的な位置づけで取り入れてる企業が増えました。
AMEMIが運営する「オンライン広報部」にも、「企業としてSDGsの発信をしていきたい」というお声をたくさんいただいております。
この記事は、「自社はSDGsに取り組んでいます」という発信をしていきたい会社様向けの記事となっております。
成功事例についてもご紹介させていただきますので、是非最後までご覧下さい。
SDGsとは世界で取り組まれている共通課題
SDGsとは、sustainable development goalsの頭文字を取った言葉であり、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」という意味があります。
ちなみに読み方は「エス・ディー・ジーズ」です。
簡単に説明すると、世界にある課題を世界の人たちで解決しようという取り組みのこと。
なぜSDGsという言葉が知られるようになったのか、なぜ企業が取り組まなければならないのかについて見てみましょう。
SDGsという言葉が広まった背景
SDGsは2015年に採択されましたが、当時から注目されていたわけではなく、2017年に開催された経済のリーダーたちが集うダボス会議にて、SDGsの重要性が明らかになりました。
ダボス会議にて、SDGsに取り組むことにより12兆を超える経済価値と、3億8,000万人の雇用が創出されるとの推計が発表されたのです。
経済的にプラスになることから、日本でもSDGsへの取り組みが注目されています。
なぜ企業がSDGsに取り組まなければならないのか
- 経済的価値がある
- 社会的なイメージの向上
企業がSDGsに取り組むべき理由は、上記の2つです。
SDGsに取り組むことが経済的にプラスになると分かり、これまで政府中心に取り組んできた事柄が民間企業にも広まりました。
前身であるMDGsと比べると、ダイバーシティや環境問題などの身近にある課題も追加されているので、大手企業を中心にSDGsに取り組むようになっています。
また社会的にプラスのイメージを与える影響があることもひとつの理由です。
会社の経営やブランディング、イメージアップにも大きく関わっていることから、企業でも取り組みが加速しています。
企業による実際の取り組み
SDGsには17の目標が掲げられており、貧困や飢餓、福祉、教育、ジェンダーなど日本国内でも取り上げられている課題について触れられています。
意識せずとも見聞きしたことのある、具体的な企業の取り組みをピックアップしました。
- 資源枯渇、廃棄物問題
- ジェンダー
- ユニバーサルデザイン
資源枯渇や廃棄物問題は、紙資源を使わずにリ・ユース資材を使い梱包を行う、使用済みのダンボールや古紙を回収して再利用するなどといった取り組みです。
ジェンダーは、大きな男女格差が問題になっている発展途上国での女性教育支援や、女性の子育てとキャリアの両立を支援する、LGBTへの差別の排除と理解を促す運動などがあります。
ユニバーサルデザインに関する最近の取り組みでは、リモートワークによるソーシャルインクルージョン(※)の推進も含まれます。
誰もが生きやすく働きやすい環境づくりも、立派なSDGsの取り組みです。
※「全ての人々を孤独排除から援護し、健康で文化的な生活の実現になるよう社会の構成員として包み支え合う」という理念
中小企業にこそブランディングが必要
ブランディングは大企業を中心に重視されているようなイメージがありますが、中小企業こそ取り組むことが大切です。
ブランディングとは何か、中小企業によるブランディングの具体的なメリットや推進方法についてご紹介します。
ブランディングとは
ブランディングとは「ブランドを作る」という言葉の通り、企業のイメージを作り上げることで消費者に共通の認識(イメージ)を持ってもらうことです。
例えば、
- 安くて早い、年代を問わず親しまれているファストフード→マクドナルド
- 眠気に負けずに徹夜するなら→レッドブル
- 夢と魔法の国といえば→東京ディズニーランド
というように、具体的な商品名やブランド名を出さなくても、自然とイメージさせることをブランディングといいます。
中小企業ブランディングによる具体的なメリット
- 企業イメージの向上
- 企業の信頼性の向上
- 商品、サービスへの信頼性の向上
- 社員のモチベーションアップ
- 外部環境による影響を抑制
中小企業ブランディングに取り組むことにより、5つのメリットを受けられます。
特にアフターコロナやWithコロナと呼ばれている今のご時世では、中小企業ブランディングに取り組むことで、今後の外部環境による影響を受けにくくなります。
なぜなら企業が発信する一貫したメッセージによりイメージや信頼性を高めることで、競合他社よりも自社の商品やサービスが選ばれる確率が高まるからです。
中小企業ブランディングの推進方法
基本的な中小企業ブランディングの推進方法は、自社分析からのアウターブランディングとインナーブランディングです。
アウターブランディングとは、自社分析によって明確になった「自社らしさ」を社外に発信することであり、インナーブランディングとは社内に浸透させることを表します。
中小企業ブランディングを進めることで、自社の商品やサービスを求める方を増やしながら、ニーズに合致する商品やサービスを発信できるようになる、相互ニーズのマッチングが叶うようになります。
すると顧客満足度も高まり、リピートや受注数アップにもつながるのです。
海外のSDGsブランディング成功事例
世界的にブランディングそのものを成功させているApple社が、最近の発表でSDGs化を加速させることを表明しています。
Appleは本日(7月21日)、事業全体、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルの全てを通じて、2030年までに気候への影響をネットゼロにすることを目指します。
Apple公式サイト
Appleは2030年までに、サステイナブルな製造プロセスを設計することを宣言しました。
具体的には、2030年までに製造から輸送、使用済みの材料回収まで100%カーボンニュートラルとすることを目指していると言います。
こうすることで、再生可能なエネルギーとリサイクル材料を使用して、自然界の生態系を再生させることを目標にしています。
Apple社がSDGsに積極的になる必要性
既に革新的な製品を作り大きな利益を上げているApple社だからこそ、SDGsへの取り組みによる社会への影響は大きいと考えられます。
また一方で、既に成功を納めたApple社が本格的な形でSDGsに取り組んでいる姿勢は、今後の社会で生き残っていくための策略であることも想定できます。
環境のために、ここまで大きな法人が本腰を入れて起動するためには、経済的なメリットなしには難しいはずです。
これをきっかけに、Apple社への支持やイメージアップに繋がり、使い続けられる企業としてのブランディングを成功させていると考えて良いでしょう。
国内のSDGsブランディング成功事例
日本国内の大手企業も、それぞれが本格的にSDGsに取り組んでいます。
今回は具体的な成功事例として、3社を取り上げます。
サントリーグループのサステナビリティ
「人と自然と響き合う」を使命に掲げているサントリーグループは、水をはじめとする自然の生態系が健全に循環するための活動に取り組むことで、人と自然が互いに良い影響を与えあい持続する社会を目指しています。
特にサントリーグループにとって大切な役割を果たしている水にサステナビリティを重視し、「水と生きる」という約束を掲げて優先的に取り組みが行われています。
サステナビリティに関するテーマとしては、具体的に7つをあげています。
- 水
- CO2
- 原料
- 容器、包装
- 健康
- 人権
- 生活文化
このテーマに対して、取締役会と連携をしながらグローバルな活動を推進することで、サステナビリティ・ビジョンに基づいた戦略を立案し、モニタリングを行います。
キリンホールディングスのCSVコミットメント
キリンホールディングスはグループ全体で社会的価値を創り上げ、事業の成長と競争力強化という経済的価値を「キリングループ・ビジョン2027」と呼ばれる長期非財務目標「CSVパーパス」につなげて実現をすることに向け活動をしています。
「CSVパーパス」とは、社会と価値を共創し、持続的に成長するための指針を意味します。
キリンホールディングスは「酒類メーカーとしての責任」を胸に、「健康」「地域社会・コミュニティ」「環境」の3項目についての指針の実現を目指して各事業単位で「CSVコミットメント」に取り組みます。
- 健康:健康な人を増やし、疾病に至る人を減らす。治療に関わる人に貢献する
- 地域社会・コミュニティ:お客様が家族や仲間と過ごす時間を増やす。サプライチェーンに関わる。コミュニティを発展させる。
- 環境:ポジティブインパクトで持続可能な地球環境を次世代につなぐ
酒類メーカーとしての責任として、適正飲酒啓発や次世代への酒文化継承のみならず、ノンアルコールや低アルコール販売数量を拡大します。
また環境に対しては、太陽光発電設備の設置や持続可能なパーム油への対応、グループ全体GHGガス削減率を実現させるなどの具体的な対策をとっています。
事業戦略と連動させることで、グループ全体の社会的価値を創出しながら事業の成長を見込み、経済的価値につなげてCSV経営を進化させることが目標です。
ヤクルトグループのMY SDGs行動宣言
ヤクルトグループではSDGsの共通課題を社会的責任として捉えています。
グループ全体の事業活動プロセスを、SDGsの達成に向けて行う活動における目標と対応させるよう試みています。
取り組み内容は大きく分けて5項目あります。
- 研究開発:健康に貢献する商品の「研究・開発」に技術革新も図りながら取り組む
- 調達:持続可能な調達に取り組む。労働環境にも配慮した「調達」を行う。
- 生産:持続可能な「生産」に取り組む。生産工場等の適正な雇用を確保する
- 物流:省エネや環境にも配慮した「物流」を行う
- 販売:健康に貢献する商品の「販売」と配送をする。ヤクルトレディの就労環境の整備を図る。女性の能力向上を図る。
このような取り組みをポスターにするなどの行動に移し、従業員向け啓発として周知して取り組んでいます。
これを従業員が自分のことであると感じ、SDGsを自分のためだと捉えて行動することができるように、SDGsの17目標の中から自分と関わりがあるものを選択し、自分にできる行動をするようにしています。
その目標を「My SDGs行動宣言」と呼び、目標達成に向けて活動する取り組みを積極的に行なっているのです。
動画でもご紹介中!
【まとめ】 中小企業のブランディングにはSDGsが不可欠!?そもそも持続可能な開発とは?簡単に説明&成功事例ご紹介!
SDGsについてのご説明、ブランディングについてのご説明、SDGsブランディングの成功事例についてまとめてみました。
わかりやすいように有名企業の事例を挙げたので、そもそもSDGsブランディング以前にブランディングが成功しているのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、こうした名の知れた企業があえてSDGsへのコミットメントを明示しているのには、深い意味があります。
企業は常に利益を追求しなければなりませんが、利益追求だけでは経営は成り立たないのも事実です。
自社が何にコミットメントできるか、今一度考えてみませんか?